FC2ブログ

Entries

黄昏の瞬き

ぬばたまのその夜の梅をた忘れて折らずに来にけり思ひしものを

梅の香りに包まれました。
包み込むような香りで、梅の古木が2本。満開で、馥郁とした香りが漂ってました。
足を止めて暫し浸りました。

光琳の紅白梅図のように根元には水がたたえられておりました。
あの水は永遠を表すのか?
東西の都に分かれた文化を示すのか?
そんなことなども考えつつ、
梅が枝
梅はほのかに香るとばかりでしたが馥郁と漂っていたのです。
大宰府の旅人の梅花宴のあの歌は?と。
好きな人を梅の花の宴で見つけたものの思いを伝えられなかったひとの、、、と。
捜すと、有りました!、
「ぬばたまのその夜の梅をた忘れて折らずに来にけり思いしものを」は、万葉集の大伴宿禰百代の歌です。

大伴百代は、大宰府で読みました。大宰府の三等官。旅人が大宰府の帥のころです。
彼の胸に去来する梅の花は?などと。
その時に、花を胸に抱いたら、人生は変わっていたのでしょう。
小さくか?大きくかはわからないけれども、
梅が枝を折らない選択もまた同じ。

人生は小舟の操船のようなもので、
さざ波にたゆよう時も、大波を乗りこなすときも。舵を取り続けます。
人生とは後悔が出来ない選択と決定の連続。
小舟は、大波を受けて間違ったら沈む?
案外海中深く沈んだら、そこには竜宮城が待っていたと言う事かもしれない。
人智に及ばす、神のみぞ知る。

その時の最善を尽くして、天命を待つようなところがある。
後悔しないためには、とことんこだわって、とことんあきらめて、、なのかしら?

彼のほかの歌と言うと、
「事もなく生き来しものを老いなみにかかる恋にも我は逢へるかも」

老いらくの恋です。え~~。彼は若くない??お相手は?若い女性??
どうやら、出戻りで子持ちの3人もの男性にかしづいてた女性です。
旅人の異母妹。大伴坂上郎女。

彼女の歌は
「黒髪に白髪交じり老ゆるまで かかる恋には いまだあはなくに」
白髪のおば様です。

そして、彼は、
「恋死なむ 時はなにせむ 生ける日の ためこそ妹を 見まく欲しすれ」
恋死なむって!?
激情を読んでします。

今夕暮れが始まりました。
ばえ夕
部屋の中は黄金色に輝いてます。
黄昏時の、うっとりとするような瞬間を迎えます。
まさに彼らは黄昏の光の中で煌めいた。    

百代は「思はぬを 思うふと言はば 大野なる 三笠の社(もり)の 神し知らさむ」
天地神明、真実の愛を述べます。
何か脱力しちゃいそうです。

そして。郎女は、大人の女性として軽くあしらいます。  
「山菅(やますげ)の 実成らぬことを 吾に寄そり 言はれし君は 誰とか寝(ぬ)らむ」
何もないのに、、いいよる貴方は本当は誰と寝てるの?

御座興?
いやいや、本当に黄昏の恋は在るのだろう。
座興として、相手も恥をかかずに、
それでも胸の中深くに愛されたその思いを己が一人の宝として秘める恋。
時折出して、そっと光を思う、そして、生きる糧とする。

若い激情だけの恋と違って、老いらくの恋は、踏んではいけないものばかり、、
なお白髪に象徴される身体の衰えを抱えての恋、そこを乗り越える狂しい日々。

静かにベールをかぶったような太陽が西に落ちてゆきます。
東は紫紺にに紫紺


コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://hippopon.blog.fc2.com/tb.php/93-887c4723
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

hippopon

Author:hippopon
目指すは 居候の大先輩、山科言継卿。

最新記事

検索フォーム

QRコード

QR